2018/06/06

この出会いは運命なのか必然なのか。タクシーの運ちゃんに心打たれたお話

 

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こんにちは。TSUBASA (eigoenglish11)です

 

いやー先日、久しぶりに、ほっこりとさせられる、すごく良い経験をしました

とあるタクシーでのことです

 

ぼくはタクシーに乗る時、必ず「ナンバー」をチェックします

というのも、自宅付近のナンバーじゃないと、信用できないのです

実際に嫌な目に遭ったお話も、以前こんな風に書いてます

タクシーのナンバーに日頃から目を光らせているのに、ナンバーなんか気にならない、不思議と「必然」を感じたタクシーに出会いました

シューイチハイライトでも軽く話しましたが、改めてお話したいと思います

とある日、急いでタクシーに乗ったお話です

 

遠くからぼくを見つめるタクシー

深夜手前の午後11時

その日は結局電車に間に合わず、タクシーで帰るハメになってしまった

お祝いの席ということもあり、ついさっきまでウィスキーだショットだと「ちゃんぽん」しまくっていたせいで、どっちが北なのか、右も左も分からぬまま大通りに飛び出した

信号を待っていると、反対車線にタクシーが走っている

なんとなくこっちを見ているような、フラフラと徐行をしていたのだ

他に走っているタクシーもないので、思わずぼくは手を挙げ、そのタクシーへと小走りで向かっていったのだ

そのタクシーもライトをピカピカ照らし、ぼくにコンタクトをしてきたのだった

 

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言葉に訛りのある運転手

タクシーに乗る瞬間、いつものようにナンバーに目を向けた

(あ、足立ナンバーだ)

ぼくはこれまで足立ナンバーのタクシーに乗車して、ほとんど良い目に逢ったことがない

だからナンバーを見て、少し冷静になった

でも他にタクシーは走っていないし、徐行してくれたそのタクシーに賭けてみようと思い、そのまま後部座席に乗り込んでみた

 

「こんばんは。冷えてきましたね」

明らかに地方からやってきた、独特の訛りあるタクシーの運転手

ぼく自身も田舎者だから、逆になんかその訛りがしっくりきて、笑顔で『こんばんは。いやー、寒いですね』と、すぐさま返答した

それから運ちゃんに行き先を伝えると、ナビに住所を入力することなく、そのままブーンっと走り出した

(足立ナンバーだけど、地方出身の人なら安心だ)

その時心の中ではこんなことを思っていた

 

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気持ちを汲んでくれた

その運ちゃんにさっきまでの状況を説明して、とにかく急いでいることを伝えた

すると彼は、「あーそうなんですね。わかりました。急ぎますよ」と、早口で答えてくれた

周りに車が走っていないせいか、グッとアクセルを踏む

少し運転が荒いけど、すぐに応えてくれるその優しさに、ちょっとほっこりした

もしかしたら良いタクシーに会えたかもしれない

 

訛りが気になって

「今日は飲み会ですか?」「お祝いの席だったんですね」

会話が弾んで行くにつれて、その運ちゃんの出身地が気になりだした

『運転手さん、出身はどちらですか?もしかして北関東の方ですか?』

そう聞くと運ちゃんはバックミラーからぼくの顔を覗き込み、ニコッと笑いこう答えた

「そうなんです。茨城出身なんですよ」

やっぱりそうだった

茨城か栃木、もし違ければ東北だと思いましたよ。なんてことを話していると、またまた会話が盛り上がっていった

この運ちゃん、すごく話してて心地いい

久々に波長の合う人に巡り会った気がした

 

まさか、そんなこと言う?

しばらくして、運ちゃんが急にこんなことを言ってきた

「高速代いらないから、高速乗っていいですか?」

「その方が突き抜けられるし、高速も空いてるから良いと思いますよ!」

そんなことを言われてのは初めてだったので、少し戸惑ってしまった

 

「いやほんと高速代いらないから、いいですよ」

と、重ねて言ってきたので、じゃあ、と運ちゃんに甘えることに

(騙されないかという不安より、騙されてもいい、そん時はぼくが悪いや)

という、不思議な感覚に陥った

そして運ちゃんは、高速でメーターを止めてくれていた

ほんと、なんなん

 

最後までたたみかける運ちゃん

「その先の信号を左に」

随分飛ばしてくれたおかげで、予定より10分も早く目的地付近に着いた

交差点を曲がると、あいにく信号は赤

もう目的地は目の前なので、信号を待たずに降りることにした

 

すると運ちゃんはこんなことを言ってきた

「もうすぐそこなんでしょ?いいですよ。メーター止めるから」

ぼくが『え?』と答えた瞬間、ピッとメーターを止めてくれた

なんか、こんなに気持ちを汲んで、色々サービスしてくれるなんて思っていなかったから、思わずため息をついた

 

『そこの駐禁の看板のところで良いですよ』

と伝えると、車をスッと脇に寄せてくれた

財布を出そうとすると、運ちゃんはまたこんなことを言ってきた

「6,400円だけど、6,000円でいいから。小銭いらないって。ほら、早く行って」

 

千円札を持つ手が震えた

込み上げてくるものが尋常じゃなかった

あれだけ酔っ払っていたはずなのに、そんなもの、微塵も無くなっていた

 

支払いを済ませ「ありがとうございました」と伝えて降りると、そのタクシーはブブーンと走り去って行った

ナンバーを見る暇も、よく見ることもできない

運ちゃんはきっと、ミラー越しに、ぼくのことを見てくれたと思う

音が聞こえなくなるまで、地面をじっと見続けていた

鼻水が地面へ伸びていった

 

 

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