2017/10/20

【長期連載】A week – 水曜深夜のキャッシュオンリータクシー

 

【前回までのあらすじ】

週の始まりにも関わらず膝を負傷し、翌日には大量の水虫に覆われるという負の連鎖

初日の痛みに比べれば大したことではない

だが不運というものは大きさよりも、いつまで続くかが問題だ

気を取り直し迎えた水曜日であったが、これほどまでに腹の立つ日がやってくるとは、全く想像していなかった

 

前回の記事を読み逃した方はこちらから

 

接待を終えて店の前で捕まえたタクシー

その日仕事を終えた後、夜は接待があった

最近、業界的にも社会的にも接待という風習が少なくなってきた

でもぼくは以前よりも増えたような、交際する機会が増えたような気がする

それはきっと歳を重ねたせいもあり、同じ穴のムジナ的な部分で、夜の社交場が好きなメンツが集まっているのだろう

その分、友人と遊ぶ機会が減ってしまったけれど

 

いつものように情報交換をして、多少の無礼講も許されるほど飲んだあと、店を出てお客さんをタクシーに乗せた

ぼくはコンビニへ寄ってペットボトルの水を買い、半分ぐらいガブ飲みした後、タクシーの多い通りへと歩いて行った

場所が悪かったのか全くタクシーは走っておらず、諦めて大通りの方へ向かった

しばらく待っていると1台のタクシーがやってきた

これを逃したらいけないと思い、そのタクシーに向けて大きく手を挙げた

こちらに気付いたようで、ウィンカーを付けて徐行し出した

(足立ナンバーか・・)

 

ぼくは足立ナンバーのタクシーに良い思いをしたことがない

運転が荒い、態度が悪い、道を間違える

ナビに自宅の住所を入れたのに、寝てる間に遠回りをされたこともある

偏見かもしれないが、足立ナンバーのタクシーはイタイ目に遭う確率が高いのだ

だから足立ナンバーはなるべく避けるようにしている

ちなみにぼくの中でのナンバーワンは品川ナンバーだ

 

ほかに走っているタクシーも無いので、そのままその車へ乗り込んだ

「こんばんは。〇〇までなんですけど、道分かります?」

『こんばんは。分かりますよ。山手から目白通り、そのあと〇〇行けばいいですよね?』

道の分かる運転手さんで良かったと、胸を撫で下ろした

もしかしたら寝てしまうかもしれない、と伝えると、近くまで行ったら声かけますよと彼は言った

 

 

『お客さん!そろそろだと思うけど!』

案の定、ぼくは寝てしまっていたようだ

メーターを見ると、遠回りをしたような形跡はなかった

「そこを左に入ってもらえますか?」

『ここ?それとも奥?』

さっきとは口調が変わり、なんだかイライラしているように聞こえる

「突き当たりを左にお願いします」

『はーい』

やっぱりだ、明らかに乗った時と態度が違う

家の近くで車を止めてもらい、カードで支払おうとした

『うちカード使えないんだけど』

マジか

じゃあ現金、と財布の中を見ると、お金が足りない

「Suica使えます?」と尋ねてみたが、カードもSuicaも使えず、現金しかやってないと軽くキレ気味に言われた

すでに深夜2時

奥さんを起こしてお金を出してもらうのも悪かったので、コンビニで下ろすことにした

 

その時からの彼の態度は更に酷くなった

車の運転は荒く、ずっと舌打ちをしていて、あまりにも出来過ぎた態度に、一気に酔いが覚めた

コンビニへ着くと、急いでATMへと向かった

キャッシュカードを入れると、何も押していないのにカードが出てきた

(あれ?カード間違えてるかな)

出てきたカードを見たが間違ってはいない

もう一度差し込むと、画面には(メンテナンスのため只今のお時間は利用できません)と書かれていた

最悪だ

何を血迷ったか、nanakoに溜まっているポイントを現金化できないかと、店員さんに尋ねてみた

もちろんできるはずもない

諦めて自宅へ向かい、奥さんを起こすことにした

 

タクシーに戻り、ATMが使えないこと、自宅に現金があるか分からないけどと、彼に事情を説明した

すると彼はこう言ってきた

『だったら最初からそうしてよ!』

この言葉に流石にキレた

「仕事をする上でその口調はおかしいでしょう?初対面の人に対する態度ではないと思いますけど」

こう言ったあと、道を案内する口調も強くなった

ぼくの態度が変わったことに彼は気付いたようだが、それでも運転はとにかく荒かった

家に着き、奥さんからお金を受け取って、タクシーへと戻る

支払いを済ませると、すぐさまその場から走り去っていったのだが、ぼくはその時こう決意した

(どんな状況であろうとも、足立ナンバーには絶対乗るもんか)

 

今の時代、個人タクシーでもカードは使える

しかもここは東京だ

現金だけってほんとあり得ない

でも、結局は、金じゃなく人だ

 

→続いては、「夜が明けた木曜日、足首に無数の腫れが」だ!

 

 

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