2018/06/16
短期連載2「連休前の地獄。限界の先にある人の温もり」
Warning: Use of undefined constant full - assumed 'full' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/eigosukisugi/eigoenglish.jp/public_html/wp-content/themes/elephant/single.php on line 54

〜 前回のあらすじ 〜
海外からの届くはずの荷物が、当日中に届かないことが判明した
直接取りに行くと決めたものの、受け取り時間は午後7時まで
夕方に入っていた打ち合わせも伸びてしまい、受け取りのタイムリミットまで残り1時間しかない
はっきり言ってかなりヤバい状況だ
果たして間に合うのだろうか・・
不透明な目的地
急いで会社に戻ると、経理の子が手続きに必要な書類を用意してくれていた
「受け取りにはこの書類と、免許証、名刺があれば大丈夫。念のためこれが向こうの連絡先。電話対応してくれたのはこの人だから」
書類を受け取り、彼女に礼を言った後、用意していた手荷物の中に書類を入れ、急いで車に乗り込んだ
目的地は江東区辰巳、海の方だ
Google Mapで場所を検索してみたら、会社から目的地までの所要時間は、ちょうど30分だった
だから多少遅れても、なんとかギリギリ間に合う、そう思っていた
カーナビに江東区辰巳と入力したあと、事件が起きた
「番地が出てこない・・」
ナビには予測変換のような機能が付いている
辰巳の後に「丁」のリスト(3丁目、11丁目など)が表示されたのに対し、「番地」には該当する番号がない
なぜだ?
理由はすぐに分かった
単純に、そのナビに入っている情報が古すぎて、番号がヒットしないのだ
候補が無いと手入力ができないほどのボロナビ
仕方なくマップをタッチパネルで動かし、Google Mapが指すところを目的地に設定した
「ちゃんと着くのだろうか・・・」
不安な気持ちでいっぱいの中、急いで現場へと向かった
SPONSORED LINK
事故渋滞の首都高速
しばらく車を走らせ、首都高に入った
よく走る道
その途中で降りれば、5分とかからない場所にあった
日頃走る時間帯とは異なり、反対車線を走る車のライトが、ガードレールの隙間から差し込んできて、時折眩しくて目を細めた
しかし、ものの1分走らせたところで、またまた事件が起きた
渋滞だ
蛇行して前の車両に近づくと、そこから全く動かなくなった
2〜3m走っては止まりを繰り返す
ナビを見ると、赤い線がびっしり、大渋滞
到着予定時刻がどんどんズレていく
18時半を予定していたのが、あっという間に45分になっていた
マズい
焦る気持ちが溢れ、ハンドルを握る手が汗でにじんできた
どれぐらい渋滞にハマっていただろうか
しばらくして、目的地への分岐点が近づくと、徐々に車が流れだした
前を走る車がスピードを上げたので、離れないようにくっついて行った
そのまま止まることなく、気づけば降り口の所まで来ていた
高速を出てすぐ、ウィンカーを出し、車を脇に寄せた
彼女からもらった連絡先へ電話する
なかなか出ない
ナビに表示されている時間は、間も無く7時になろうとしている
早く繫れと、これまでで1番焦った
6時58分、その時だった
「大変お待たせしました、〇〇がお受け致します」
電話が繋がった時、あまりにも嬉しくて、思わずハンドルをたたいてしまった
事情を説明すると、すでに話が通っていたおかげで、多少時間を過ぎても大丈夫ですからと、優しく答えてくれた
ナビに目をやると7時3分
間一髪だった
ウィンカーを右に出し、ゆっくりと走り出す
目的地はもう目の前
到着まであと5分かかるけど、何も怖くない
周りを見渡すと車はそれほど走っておらず、たまにすれ違うのはトラックだけ
見知らぬ地で、少し寂しさを感じた
差し迫る時間の中、無事目的地に着くことができた
あとは荷物を受け取り、車に詰め込んで届けるだけ
しかし最後の最後に、思いもよらぬ事態が待ち受けていた
一体荷物に何が起きていたのか?何時に届けられるのか?
次回最終回へと続く!