2017/10/20

【長期連載】A week – 疲労困憊のブラックフライデー

 

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【前回のあらすじ】

朝起きて出勤すると、足首が無数の蚊に刺されていることに気付く

ただでさえ痒いのに、行く先々で何度も蚊と戦うハメになってしまい、9月なのに夏真っ盛り、を1人で感じる日だった

そしていよいよ今週も最終日となる

金曜日は疲労が溜まりに溜まって、何から手をつけていいのかももはや分からず、目の前にあるものを片っ端から終わらせていくという、無双モードに入っていったのだった

 

前回の記事を読んでない方はこちらから読んでね

 

鳴り止まない電話とLINE、そして書類の山に囲まれる日

金曜日の朝、目が覚めて起き上がろうにも身体が重い

ベッドから抜け出すのがこんなにも、、というほど、身体は言うことを聞かなかった

今週は何かとストレスになることが続いて、また仕事もかなりハードで、一息つく時間も寝る間もなかった

休む間も無く電話やLINEの着信音は鳴り続けるし、優先順位の低いものは無視せざるを得なかった

日にこなせる量をとっくに超えていて、常に何かに追われているような、そんな感覚だ

 

(はぁ、公園のベンチに座って、オフラインでビールでも飲みたい)

時折現れる、現実から逃れたい気持ちを抑えながら、目の前にある仕事を黙々とこなしていた 

 

夜になり、業務が終盤に差し掛かった頃、切りが良いところで仕事するのをやめた

(残りは明日やろう)

休日出勤なんてしたくない、そんな気持ちで今週はずっと走り続けた

でも、物理的に無理だと気付き、頭を使うことも、手を動かすこともやめた

そう、そうなんだ。とっくに自分のキャパは超えている

ただぼくは、仕事を達成したときに感じる、あのゾクゾクとした感覚を味わいたい為に、なんだか無理をしてしまうらしい

 

ふと、席を立ち上がり、外を眺めに行った

花金とは言うものの、その日はどしゃ降りの雨が降っていて、外を出歩く人影はない

そもそもここは繁華街じゃないから、ガヤガヤとした感じではないけど、なんとなく、日曜の夜のような静けさがあった

ひとりでいたぼくは、窓に打たれる雨の雫が、次第に大きな固まりとなって流れ落ちていくのを、ただただぼーっと見続けていた

粒が集まり、まるで涙のように流れる雨

肩肘をついて顎を手のひらに乗せ、無心でその雨を見ていた

 

コンビニでビールでも買って、一週間お疲れ様でしたといきたい

が、雨も降ってるし、今日はそんな気分にもならなかった

でも、そこに寂しいとか孤独感はない

なぜなら今の状況を理解してくれる人がいるからだ

 

翌週の月曜から出張があるので、30分ほどでその支度を済ませる

今日はおしまいと、パソコンを閉じて社内の電気を切る

(よし、明日がんばるぞー)

少し気合を入れて会社を後にした

 

土砂降りの中を歩いていると、徐々に靴が濡れていき、駅に着く頃には足元はぐしゃぐしゃになっていた

それなのにぼくはコンビニの方へ向かい、やっぱりビールを買うことにした

(金曜日なんだからちょっと飲みたいわ)

コンビニを出てすぐにビールを開け、ぐいっと一口喉に流し込む

あー、週末に飲む酒は格別にうまい

肌寒い気温の中、誰も歩いていない歩道をのんびり一人、雨の夜の散歩を楽しんだ

その時はまだ、翌日に大きな事件がやって来るなんて、知るはずもなかった

 

続いてはいよいよ最後、「土曜の朝、突如壊れるiPhone」だ!

 

 

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